2011/03/08

対気速度計の校正1.5

2回に分けて書くつもりでしたが、第1回の記事を書いた後にコメントをいただいたりしていろいろ気になることができ、簡単な追加実験も行ったので、第1.5回を追加します。

静特性の測定の追加実験
第1回の記事に静特性の測定結果について書きましたが、測定中のばらつきはかなり大きいものでした。前の記事に対するコメントで、定格より高い回転数で動かしているためにロータリーエンコーダが異常なパルスを出しているのではないか?というコメントをいただいたので、追加実験を行ってみました。
静特性の追加実験の様子
ドライヤーの吹き出し口が気速計のプロペラに当たるようにしただけの簡単なセットアップです。
このセットアップで、第1回と同じように数分間のカウント値を記録したのが下のグラフです。
カウント値のばらつきの比較。赤が風洞試験、青がドライヤーの場合の結果。


比較のため、前回の結果も一緒にプロットしました。
カウント値の最大は2261、最小は2236、平均は2248、標準偏差は4で、少なくともこの実験では、風洞実験の際に観測されたようなばらつきは見られません。
もちろん、風洞実験の時とは電源等の電気的条件、振動等の機械的条件、流れの整流具合等の空力的条件が異なるので、エンコーダの特性に問題が全くないとは言い切れませんが、うまい条件が揃えばばらつきは生じないと言えます。
また、オシロスコープでパルスを観察してみましたが、異常は見つけられませんでした。 
(簡易オシロDSO nanoなので、見逃していた可能性もありますが…)

また、カウント値をヒストグラムにすると下の図のようになりました。 
カウント値のヒストグラム(赤)風洞試験(青)ドライヤー
縦軸・横軸はそれぞれフィットしたガウス関数の高さ・幅で規格化してあります。
どちらも、高カウント側に伸びたヒストグラムが得られていますが、風洞試験場合に伸び方が大きくなっています。
異常なパルスが出力された場合には、このようなヒストグラムが出ると予想されますが、プロペラ+エンコーダで作った風速センサの場合、気象大学校の卒業論文「風向風速計センサの特性比較」にあるとおり、風速が増加する場合の応答が風速が減少する場合の応答より速いという特性があるので、単にその特性が見えているだけなのかもしれません。

追加実験からは、特定の条件が揃った場合にはばらつきが少ないと言うことはわかりましたが、それ以上の情報は得られませんでした。
いずれにせよ、ばらつきは0.1m/s程度で、気速計の取り付け位置による誤差と比べて小さいと考えられるので、これ以上の深追いはしないことにしようと思います。