2011/02/23

対気速度計の校正1

対気速度計の校正を行うために1.5m低速風洞をお借りして実験を行いました。

気速計はCopalのロータリーエンコーダRE12D-100-201-1とIndoor airplane worldで販売されているプロペラを組み合わせて作りました。
F-tecで活動していた頃はエンコーダを自作していましたが、小型・軽量化には限界があるので、今回は市販品を使っています。

製作した対気速度計

エンコーダ+プロペラで気速計を作った場合、エンコーダが出力するパルス数を気速の値に直すためには換算計数を求める作業が必須ですが、今回はそれに加えて動特性と迎え角依存も測定しました。

少し長くなりそうなので、2回に分けて記事を書きます。

静特性の測定

はじめにもっとも基本的な、静特性の測定結果について述べます。

気速に対するカウント値の変化は下の図のようになりました。
測定は気速を上げる・下げるの2方向で行っています。(以下では行き・帰りと表現します)

気速に対するカウント値の変化

少なくとも今までの経験では、気速とカウント値の関係は線形でしたが、行きの測定の10m/sくらいまで、直線から外れた値が出ています。
原因は、測定時の気温が8℃と低く、エンコーダの軸を支えるベアリングのグリスの粘度が上がり、動摩擦が大きくなってしまったことだと考えられます。
それを検証するために気速計を冷凍庫で冷やし、指で回してみましたが、明らかに抵抗が増えていました。
実際に気速計を使用するのは、もっと気温の高い時期なので、実用上は問題がないと考えられます。

また、データシートによると、このエンコーダの最高周波数は10kHzとなっていますが、20kHz(=2000count)でもきちんと動作していることが見て取れます。

行きの直線から大きく外れた点を除いて、カウント値(x)から気速(y)を求める式をフィッティングで求めると、
No.1: y=0.35+0.0053x
No.2: y=0.65+0.0050x
となりました。
同時に試験した2機の換算係数の違いはわずかで、エンコーダ・プロペラの特性にばらつきが少ないことがわかります。

測定中にカウント値がふらつくことがわかったので、9.8m/sに気速を固定し、数分の間カウント値を記録し続けてどの程度のばらつきがあるかを調べてみました。
結果は下の図です。

カウント値のふらつき


カウント値の最大は1900、最小は1760、平均は1811、標準偏差は22となりました。
このデータをフーリエ変換したり、アラン分散を求めたりしてみましたが、ふらつきの原因はよくわかりませんでした。
(ピトー管など違う方式で取ったデータがあればセンサが原因なのか、風洞によるものなのかはわかると思います。)
少なくとも、標準偏差から測定した気速の精度は0.1m/s程度になるとは言えそうです。

ここまでの実験結果で気速計の基本的な特性がわかりました。
次回は動特性と迎え角依存の測定について書く予定です。

2011/02/13

地磁気センサの静置試験

以前変換基板を作製した地磁気センサAMI304の静置試験を、I2C-USBブリッジを使って行いました。

地磁気センサは機体の姿勢角の取得に利用する予定ですが、出力に温度等の原因によるドリフトがあると正確な値を得ることは難しくなります。
そこで、地磁気センサの出力を10spsで1時間ほど取得し、安定性の指標となるアラン分散を求めてみました。
ログデータからアラン分散を求めるにはAlaVarを使用しました。

地磁気センサのアラン分散(Z軸)
60秒くらいからアラン分散の値が上昇しており、何らかのドリフトが認められますが、今回の実験では恒温槽を使って温度を安定させているわけではないので、測定中のチップ温度の変化によるドリフトだと考えられます。
したがって、正確な姿勢角が求めるには、ゼロ点と感度の温度特性を求めないとなりません。

地磁気センサのゼロ点と感度を求める作業は、日本応用磁気学会誌に書いてある方法で行えますが、周りの磁気環境には十分注意を払う必要があります。
実際、今回の実験では、ファスナーのついた服を着て作業を行っていたのですが、そこから出る磁気によってセンサの値が変わることが確認できています。

また、データシートによると、はんだ付け作業など、熱ストレスによってもゼロ点・感度に変化が出るらしいので、実際使う基板に実装した上でのキャリブレーションが必須になると考えられます。
まずは基板のアートワークと組み立てを行わないとならないので、実際にキャリブレーション作業を行うのはしばらく後になりそうです。

2011/02/05

MiniProg3をUSB-I2Cブリッジとして使う

PSoC1/3/5用のプログラマMiniProg3はUSB-I2Cブリッジの機能も持っています。
この機能を使えば、I2C接続のEEPROMの読み書きやI2C接続のセンサのテストなどをPC上から行えるため、使い方を覚えておくと何かと便利です。

使い方は簡単で、PSoC Programmerと一緒にインストールされるBridge Control Panelを開き、送信するI2Cのコマンドを打ち込むだけです。

試しにCY3240-I2USB付属のターゲットボードをMiniProg3につなぎ、ターゲットボード上の照度センサの値を取得してみました。
MiniProg3をUSB-I2Cブリッジとして使い取得した照度センサの値
Bride Control Panelには簡単な実験に使うには十分なチャート機能があるので、それを使って蛍光灯の照度を表示しました。
ステータスバーに表示されている通り、だいたい1秒間に1000個のデータが取得できています。
照度センサの値をそこまで高速にA/D変換していないのではっきりしませんが、蛍光灯の100Hzのちらつきで、照度データが振動している様子が見て取れます。

2月末には、気速計の風洞試験を予定していて、その際には動特性の測定も行う予定なのですが、ログ取得にはこの機能を使ってみようと思います。